「底力見せたい」 日本のエンタメ業界に懸ける思い

——プロデューサーとして「これだけは譲れない、変えられないもの」を教えてください。
一番は、皆さんに楽しんでいただきたいと思っています。それが前提ではあるのですが、その前に自分が「これは本当に面白いの?」とも考えます。コンプライアンスなども重視されるようになり、時間や予算のこともあって流されるような気持ちになりがちな時代でもあると思います。人に迷惑をかけてでもいいものを作ればいい、という時代も確かにありましたが、今はもっと成熟して、次のステップに来ていると思うので、その中でも自分が本当に面白いと思えるのかを、心に聞いています。
——時代が変わる中で意識の変化などもありましたか?
シーズン1の時から比べても、6年前とはスタッフの働き方も明らかに違います。その間に、海外のエンタメが日本に入ってきて、そういうのもひっくるめて、やっぱりテレビ業界を含め日本のエンタメ業界も頑張って底力を見せないといけないところに来ているのかなとは思います。僕が今50代後半に入って、ちょうどそういうことを見渡せる年齢にいるということもあると思います。才能のある若い方にもどんどん引っ張っていっていただきたいし、僕らみたいに長年培った知恵や経験を生かしながらやっていく人もいる中で、日本も頑張れたらいいなと思います。