■中国側に運営権譲渡する事態も・・・“債務の罠”回避の道を考える

GDP比で3割を超える債権を中国が保有するジブチでは、2017年に中国としては初めてとなる海外での軍事拠点が設置された。スリランカでは2010年に中国から総工費の8割もの融資を受け港湾を建設したものの、赤字で返済が行き詰まったことから中国の国営企業に運営権を譲渡する事態となっている。
慶応義塾大学 白井さゆり教授
「スリランカやフィジーの政府はGDPの100%を超える巨大な借金を抱えています。その中でも中国からの支援が大きく、データがはっきりわかりません。いまデフォルトしてIMFの交渉を待っており、それにより債務のリスケが起こります。日本も相当支援しており、協調して債務の再建や支援をしていくのですが、中国が見えない。隠れ借金もあってどこまで支援に応じるのか。中国は債務のリスケや帳消しをすごく嫌がります。中国を巻き込むのが難しいので、日本やG7、オーストラリアが協力してお金を出し合って効果的な開発戦略を考えていく時代が来ていると思います」
(BS-TBS『Bizスクエア』 8月13日放送より)