内部資料に「メタンガス存在」 2年前に判明も今年の事故を受けて発表

報道特集が入手したメタンガスの発生量を調査した内部資料によると去年9月、今回爆発があった1区からメタンガスが1日約1.9トンも発生していた。

メタンガスが発生するのはこの1区だけなのか。事故直後から万博協会は、「他のエリアでは、可燃性ガスの発生はありません」と説明してきた。

数年前から夢洲のメタンガスの危険性を指摘している藤永延代さんは、この万博協会の説明に疑問を投げかける。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「2区、メインのところはメタンガス、そんな心配ありませんという言い方。それが嘘だと思っている。ないわけないと」

報道特集は、事故の2年前にこの2区のエリアでメタンガスが発生していたことを示す資料を入手した。大阪港湾局が作成していたものだ。そこには。

「メタンガスの存在が判明した」

万博のメイン会場となる2区の地下で行われている鉄道工事の事前調査で、2年前に判明していたという。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「間違いなく、地下鉄工事をしているところの下を分かっていたから、(大阪)港湾局は調べている。そうしたらメタン、ちゃんと検出されているんです」

大阪港湾局が資料を作成した約2か月後。この問題は大阪市会でも取り上げられた。

花岡美也 大阪市会議員(当時)
「万博の交通アクセスの重要な柱の一つである鉄道、事業費の増加についてお聞きします」

大阪市 松井一郎市長(当時)
「新たに判明したメタンガスによる、トンネル構内での事故防止のための事業費が増加することとなりました。万博開業に向けてコスト及びスケジュールの管理を徹底して取り組んでまいります」

それから2年がすぎた今年5月。万博協会は爆発事故を受けて初めて、「4か所で低濃度のメタンガスが検出されているデータを確認しました」と、2区でもメタンガスが検出されたと発表した。

さらに、海外の参加国への正式な説明は、事故から3か月経った今週の国際会議の場だったという。

おおさか市民ネットワーク 藤永延代 代表
「だから言うてたやろと。人が立ち入ったらあかんところを会場にしている。やっぱり悲劇やと思う。(対策に)ものすごいお金がかかります。危険だから手立てをしないと、それどうすんの。まだまだメタンガスも出てるし、わかっていたんやから。わかっていながら、そのままここまで来たんやからと無理くりやっていくというのはもう本当に愚策」