「一生刑務所かも…」強制送還とヘイトにおびえる一家

一家が「強制送還」を恐れる理由は、生活が変わるからだけではない。去年の11月にトルコ政府が、埼玉での「ネウロズ」を主催した「日本クルド文化協会」とチョーラクさんを含む幹部6人のトルコ国内での資産を凍結した。トルコからの分離・独立を掲げる武装組織PKK=クルディスタン労働者党に資金を供与したというのが理由だ。
何度も会い、自宅にまで上げてもらっているのにこんな質問は失礼だろうか…と思いつつも記者として聞いた。「あなたは、テロリストですか?資金を提供しましたか?」チョーラクさんはちょっと苦笑いして、こう答えた。
チョーラクさん
「私たちはテロリストともPKKとも何のつながりもないのに…『クルド』を前面に出した活動をしたことでトルコ当局から狙い撃ちにされたのです。送還されたら、私は死ぬまでずっと刑務所に入れられると思います」
トルコでの迫害と日本でのヘイト。その間で怯えて暮らす妻が哀願するように語った。
妻
「12年間川口にいますが、ケンカしたこともないし、ルールを破ったことはありません。私たちは安全な日本が大好きで残るために頑張っています。在留資格を与えてくれたら、日本社会にも貢献できるはずです」