上原さんが参考にした本にはある記述があります。

「サリン7トンを東京上空にまき散らせば、山手線の内側は4分間で死の街となる」


上原さん:
「日本は終わちゃうなと思った」
「7トンで東京がダメになるなら、(70トンで)東京規模の大都市10個できるなと」
「でかいヘリコプターを持っていましたからね。こういうもの(サリン)をまくためのものなのかなというふうに思った」

あの日から30年。

当時のことを知る捜査員も少なくなる中で、上原さんにはどうしても伝えたいことがあります。


上原さん:
「幅広い可能性をひとつずつ捜査していく必要性。自分たちがやらなきゃ他にやる人はいない、使命感そういうものは今の人たちも忘れちゃいけない」

世界で初めて市街地が標的とされた化学テロ=松本サリン事件。

未知なる物質=サリンと対峙し、薬品の経路を追った極秘捜査が、オウム真理教をあぶり出したのでした。