元々、就学の選択肢としては、隣の市・鳥取県倉吉市にある特別支援学校か、地元の羽合小学校の2つがあり、2校を実際に訪れるなど、入学の数年前から教育委員会と相談を重ねてきました。
羽合小学校は自宅から歩いて10分ほどの距離にありますが、特別支援学校に通うには車で片道1時間弱かかります。
それれの学校に、良さもデメリットもあるなかで、母親の晶子さんが感じたのは…
母・晶子さん
「やっぱり地域の子どもたちと一緒に通ってほしいなって、一緒に育ってほしいなっていうのがずっとありました」

鳥取県中部で最も規模の大きい羽合小学校は、とにかくにぎやかで子どもたちの笑い声にあふれていました。
「こうしたにぎやかな声の中で、地域の子どもたちと一緒に成長してほしい」
その思いから、晶子さんは羽合小への就学を希望しました。
前例のないことに困難もたくさんあるなか、教育委員会や学校、地域の支え、そして、2021年に成立・施行された医療的ケア児支援法も後押しし、2022年、恵美里ちゃんは羽合小学校の特別支援学級「なでしこ学級」に入級したのです。
人工呼吸器を常時装着する医療的ケア児が一般の小学校に通うのは、鳥取県内では初めてのことでした。