イエシロアリは土木建築が得意な「ガテン系」 だからこそ、要注意!

(東洋産業 大野さん)
「イエシロアリは、もともとの巣から水を運んで基地(分巣)を作りながら高いところまでトンネル(蟻道)をつなげていきます。さらにそのトンネルも太く、ヤマトシロアリが小指くらいの細いトンネルなのに対し、指何本分もの太くて丈夫なものを作ります【画像③】」

「このトンネルは総長100mにも上ることがあり、水汲みのためのトンネルを作ったり、高さ数十センチの空中トンネルを作ったりすることも」

「女王様と王様の住む本巣は大きさ1mにも達し、あちこちにバスケットボールくらいの大きさの分巣を作り、最大100万匹の巨大な巣を作る土木建築も得意なガテン系シロアリです」

「そして、兵アリは、ヤマトシロアリよりも攻撃的で元気いっぱいな動きをします。以前ヤマトシロアリは臆病で、兵アリは攻撃されるとさっさと逃げようとするというお話をしましたが、イエシロアリの兵アリは自分たちの縄張を常に警戒して回り、異常を察知すると仲間をすぐに呼び寄せ、家族を守るために危険もいとわず攻撃するけんかっ早い性格をしています」

「イエシロアリの兵アリの頭は職アリ(働きアリ)よりも少し大きくて硬く、大あごも長めという機動性重視の形をしています。立派なヘルメットをかぶって大あごで集団戦闘を仕掛けていくのに加え、頭からねばねばした乳白色の液体をかけて動きも鈍くさせます【画像④】」

「例えばそれが人間のような大きさでも関係なく襲い掛かりますので、イエシロアリの巣を指で壊したりすると指にかみつき、防御のための液体をかけてきます」

「ヤマトシロアリの兵アリは時間稼ぎをしている間に全員撤退、異常があった場所には警戒してしばらく戻ってこないのに対し、イエシロアリの兵アリたちは力を合わせて敵を返り討ちにし、戦闘終了後は職蟻もすぐに持ち場に戻って現場復旧して働き始めます」

【画像④】イエシロアリの兵アリ

(東洋産業 大野さん)
「イエシロアリは暖かい場所を好むので、1月の平均気温が4度未満の場所では越冬できないといわれますが、私たちのおうちの中でぬくぬく育ちます。

ひょっとしてシロアリ?そんなときにはまずは専門家に相談しましょう」