エヌビディアの時価総額が一時世界一に!今からでも乗るべき!?AI・半導体ブーム

――今日のテーマは「まだ間に合うのか。AI・半導体ブーム」。もう遅い?上がり過ぎた?と感じている方も多いのでは。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
株価という意味では、今後も乱高下は続くと思う。目先も大きめに下がる可能性はなくはないが、もう少し長い目で見れば今から乗っても、十分波に乗れると思う。なぜそう考えるのかというところをこれから解説する。

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
エヌビディアの株価は6月18日、マイクロソフトを抜いて世界1位(3兆3400億ドル(約526兆円)になった。2023年頭は17、18ドル。それが今、もう6倍、7倍ぐらい。2年も経たないうちにすごい。驚くべきは時価総額の大きさ。526兆円。円安で換算が大きくなっているが、この526兆円はトヨタの10倍。トヨタ10個分。マイクロソフトも同じぐらいだから、こんな(規模の)会社がアメリカに2つある。ちなみに日本のGDPは2023年度が596兆円。(ほぼエヌビディアの株価と一緒!?)そのうち、エヌビディアに日本全体が抜かされるのではないか!?さきほど「トヨタの10倍」という話をしたが、日本企業の時価総額トップから80社を合計しても、エヌビディア1社に届かない。
――アメリカのすごさを感じさせる。エヌビディアは6月から株を10分割したが、この意味は?

ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
「株式分割」は何かというと、「元々1株だったものを複数株に分ける」という文字通りの「分割」。エヌビディアの場合は1株を10株に分割したので、分割前の株価は大体1株1200ドルぐらいだった。それを10個に分けたから1株あたり120ドルぐらい。120ドル×10株に変わったということ。それで何が嬉しいかというと、株式の売買がしやすくなる。
――1株が安くなって、参加しやすくなる?
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
その通り。今まで1200ドル出さなければ1株買えなかったのが120ドル位で買えるようになったので、小口の投資家でも買いやすくなったということだ。「株価が10分の1に下がったというと、元々株を持っていた人は10分の1に目減りしたのか?」というと、「120株を10株持っている」計算になるので、理論上は価値は全く変わらない。また購入単価が買いやすくなるし、売るときも、今までだったら1200ドル分まとめて売らなければなかったのが、半分だけ売ることもできるようになった。購入単価も売却単価も下がったことによって流動性が上がる。投資家からすると、売買の自由度がより買いたいときに買える、売りたいときに売りやすくなるというメリットがある。
――それを聞くと、もっと他の企業も分割していけばいいと思うが。
ニッセイ基礎研究所 井出真吾氏:
アメリカでは株式分割は当たり前のように行われている。むしろ、日本の方が株式分割にはまだまだ消極的。ただ、企業のコストが増えてしまうこともある。