「今月に入って牛肉は献立から消えた」

円安が進めば物価はさらに高騰し、ひいては国力の低下にもつながるのだが、未来の話をするまでもなく既に円安の影響は各所で深刻な事態を招いている。

その1例として、ある小学校を訪ねた。

宮城県富谷市の成田小学校を給食の時間に訪問した。この日の献立は“鳥そぼろ丼”“ブロッコリーのおかか和え”“豚汁”そして牛乳だ。給食の予算は1食300円。円安の中、給食担当者は知恵を絞っていた…。

富谷市学校給食センター 高橋佐恵 栄養教諭
「(そぼろの)ひき肉もむね肉ともも肉を混ぜて使用しています。やはりむね肉の方が安価で、食味的にはもも肉の方が美味しくできると思うんですが、むね肉を混ぜることで価格を抑えるという工夫をしています」

豚汁では肉を減らし、豆腐を増やすことで蛋白質を減らさずに価格を抑えるなどして1食あたり14円節約した。輸入飼料の高騰でもともと肉の価格が値上がりしているところに円安が輪をかけた。今月に入って牛肉は献立から消えたという。

富谷市学校給食センター 高橋佐恵 栄養教諭
「(牛乳は)6円近く値上がりしています。1食単価の中で(欠かせない)牛乳の占める割合が増えるとおかずを少し節約する必要が出てくる…。このまま食材の値上がりが続けば、子どもの健康状態に影響を及ぼすのではないかと懸念しています」

続いて話を聞いたのは、夏の風物詩・打ち上げ花火の製造元だ。

花火の火薬は殆ど海外から入れてるが、実はウクライナ戦争以来火薬の価格は高騰していた。そこに円安が追い打ちをかけた…。