ロシアが直面する深刻な兵士不足
ロシアが外国人を戦地に動員する背景には何があるのか。
東京大学先端科学技術研究センター 小泉悠 准教授
「いまロシアとウクライナの戦争がかなり消耗戦になってきている。死者だけで5万人だとすると、死傷者数は20万人とか25万人規模。一見大きなロシア軍だが、意外と戦場に投入できる兵士が制約されていて、ロシア人じゃなくてもいい、もう数が集まればいいという姿勢なんだろう」

外国人の動員は、高収入をうたって募集をかけるケースが多いといいますが、小泉氏は、「無理やり外国人を戦地に送っている現状は、より厳しい戦況を表している」と分析します。
アジアやアフリカの途上国などからリクルートされたり、強制的に動員されたりした人は数万人規模に上るとの観測もあり、インド人は少なくとも4人、スリランカ人も16人が死亡していることがわかっています。

「一刻も早く、我々をここから助け出してください」

インド政府はロシアに対し、ガガンディープさんらの帰国を働きかけていますが、彼らは今も戦地に取り残されたままです。
ガガンディープさんの父親 バルヴィンダルさん
「妻は恐怖のあまり、精神的に不安定な状態になってしまいました。私はインドとロシアは良き友人だと思っていましたが、なぜこんなにひどいことをするのですか。戦争を早く終わらせて、息子を返してほしい」

父親は、来る日も来る日も最愛の息子との再会を祈り続けています。