日銀は金融政策決定会合で、国債買い入れを減額する方針を決めたが、その具体策は先送りで円安が進む結果となった。

日銀 国債減額決定 具体策先送りで円安

6月14日午後0時半、大手銀行のディーリングルームに緊張が走った。
「出た、一緒か、現状維持」「円安、円安」

日銀の声明発表後、円相場は一時158円台と1円以上円安に。

急速な円安で政府日銀の介入があった4月末以来、 およそ1か月半ぶりの水準。相場を動かしたのは、保有国債の減額を決めたい一方で、一切の具体策は7月会合に持ち越し、それまでは月6兆円の国債買い入れを続けるとした日銀の判断だ。これを期待外れとした市場が円を売る動きに出た。

異次元緩和が始まった2013年から、日銀は保有国債を大幅に増やし、2023年末の保有残高は581兆円に上る。これをどのように減額していくのか。

日本銀行 植田和男総裁:
国債市場の安定に配慮するための.柔軟性を確保しつつ、予見可能な形で減額していくことが適切。減額する以上、相応の規模となると考えているが、具体的な減額の幅やペース減額の枠組みについて、市場参加者の意見も確認しながら、しっかりとした減額計画を作っていきたい。

次の会合までの1か月を的確な判断を下すために使いたいとした。政策修正の背後にあるのは行き過ぎた円安だ。

日本銀行 植田和男総裁:
最近の円安の動きは、物価の上振れ要因であり、政策上十分に注視している。