14日は記念の上映会に続いて、Noismの芸術総監督であり、演出振付家の金森穣さんと番組を制作した坂井悠紀ディレクターによるトークショーが行われました。

坂井ディレクターは「今回の受賞で色々な人が番組を見てくれる事が嬉しい」と喜びを語りました。その上で、ヨーロッパの劇場について「存在価値が歴史的に明確であり、税金の何割かが充てられていて、上質な舞台芸術をみられることが当たり前」と話し、新潟市の厳しい財政事情を背景にNoismの存続が一時問題視された両国の違いを感じさせました。
また、授賞式のため先日訪れたドイツのハンブルクについて「観客の高齢化が進み、劇場に行かないことをバレエ団も認識していて、若い人向けの取組を行っている」と現地の実情に触れました。
一方金森さんは、自身がヨーロッパで活動していた経験も踏まえ「新潟から少しでも環境を変えたい。海外でキャリアを積んだら日本に帰っても見合うだけの生活保障もある、公演回数もあるようにしたい」との考えを示しました。
また、新潟の存在について「体に入っているもので理屈ではない。新潟の風土の中で生きていることが全てであって、そこで生きて舞台芸術を作っているから、新潟の作品である」と語るとともに、「同時に世界に届けたいと思っている」と強調しました。

また、金森さんは坂井ディレクターに対して「また撮影に来てくれたらよいと思う。舞踊家がどういう生き物か知ってもらいたい」としながら「僕はもう良い。次は井関佐和子が良いのでは」とパートナーの国際活動部門芸術監督を指名して笑いを取るなど次回の番組制作に温かいエールを送っていました。
なお、Noism Company Niigataが20周年記念公演を開催する6月28日から30日までりゅーとぴあのギャラリーやロビーで『劇場にて』を上映する予定です。