野球部の部員は10人 吹奏楽部は2人 ギリギリの窮地

また、和歌山南陵高校ではバスケ部のほかに野球部と吹奏楽部も活動している。部活は全部でこの3つだ。野球部も状況は大変で、部員は10人のみ。そして、吹奏楽部は2人だけという。全校生徒は、バスケ部の6人を合わせて現在18人の高校。全ての生徒が部活動で人数問題に直面しているのだ。

野球部は、けがなどで1人出場できなくなると、9人ギリギリの窮地に立ってしまう。ピッチャーは試合で球数制限がある。交代選手はどうするのかというと「野手がいつでも変われるように準備しているらしいですよ」と母、三奈子さんは教えてくれた。一方、吹奏楽部の2人は、他校と合同でなければ吹奏楽としてのステージは踏めない状況にある。

途中で転校を考えた選手も…

ことし4月。学校法人の理事会があった。理事を含む経営陣全員の退任が決まり、新たな理事長が就任した。企業などの支援を受けて、今後は生徒を新たに募集できるように進めていきたいという改善方針が保護者にも伝えられた。「生徒ファーストの運営」が改めて示され、やっと明るい兆しが…

とはいえ、“崖っぷちバスケ部”の保護者たちは、前年のウインターカップでの各家庭27万円捻出の後遺症が残る中で、心配事が年明けから続いていた。
もし、6人で夏のインターハイ予選を勝ち抜いたら、私たち家族の生活もどうなってしまうのか?サポートのために今度はいくら必要になるのだろうか?

和歌山県から試合会場のある福岡県までの移動をはじめ、大会期間中のサポートとなると相当な出費が予想される。8月3日が開会式。その前に福岡入りする必要がある。4日が一回戦、勝ち上がればどんどん滞在日数はのびる。期間中の費用全てを保護者だけの力で支えられるのだろうか? そこで、保護者間の話し合いが重ねられた。そして、出場となった場合は、「クラウドファンディング」で支援をお願いするしかないということになった…