「闇をあばいてください」 告発文書を託されたジャーナリストが語る無念

本田前部長は、捜査資料や告発文書などを、警察の不祥事を取材してきた北海道のジャーナリストに郵送した。資料を受け取った小笠原淳氏が取材に応じた。

ジャーナリスト 小笠原淳氏
「1枚目に『闇をあばいてください』という字が書いてあって、2枚目以降が北海道とおよそ関係ない、鹿児島県警察の不祥事の概要が…。これはいわゆる内部告発の類だろうなというのはわかりました」

しかし小笠原氏は、差出人が不明であり、遠く離れた鹿児島の事件であることから、取材が難しいと判断。この資料を、福岡のウェブサイトにメールで送信した。

このサイトは、鹿児島県警の強制性交事件をめぐる捜査について、批判的な記事を多数掲載していた。

その数日後、鹿児島県警は異例の行動にでる。

このウェブサイトの関係先に対し、別の漏洩事件に関与した疑いで家宅捜索を実施。

その結果、鹿児島県警は本田前部長の告発文のデータを発見。その後、本田前部長を情報漏洩の疑いで逮捕した。

ジャーナリスト 小笠原淳氏
「結果的にそれ(内部告発)を形にできず、なおかつ県警の暴挙ではあるけれども、強制捜査によって中身が漏れてしまって、しかも本人が逮捕されてしまってと言うのは、期待に応えられなくて申し訳ないなと」

本田前部長の逮捕後、小笠原氏には、鹿児島県警の警察官から「内部告発の文書を提供して欲しい」という依頼があったという。

その時の電話の音声が記録されていた。