県警幹部「隠せなくなって捜査をしたなどという事実はない」

警察官
「(証拠品の)提出に応じることは難しい?」
ジャーナリスト 小笠原淳氏
「そもそも、誰からどんな郵便が届いたとか警察に言う必要ないですよね」
警察官
「任意提出に応じてくださらなかったからといって、小笠原さんが不利になったりとか、そういうことはございません。取材源の秘密は十分承知したうえで、任意で協力ベースということで」
ジャーナリスト 小笠原淳氏
「信用失っちゃいますよね」

警察官
「信用を失う可能性があるというのも、そこは分かります。
こちらも小笠原さんの名前が公判とかで、提出しご協力頂いたということで、わからないようにできないかなと思って、色々検察庁の方にもかけあってみたんですけれども」
小笠原氏は情報源を秘匿するため、鹿児島県警の要請には応じなかった。
そして、盗撮事件は新たな展開を見せる。

本部長が事件の報告を受けてから5か月後、枕崎警察署の鳥越勇貴巡査部長(32)が逮捕されたのだ。
起訴状によると、2023年3月から12月の約10か月の間に、12回にわたり同じ女性に対して盗撮などを行っていたという。
本田前部長は、自らの内部告発によって捜査が動いたと主張する。
本田尚志 前生活安全部長(刑事手続き中の証言)
「実際、私が送った文書がきっかけになったと思います」

本田前部長は、県警がウェブサイトへの家宅捜索で自分の告発文の存在を知り、警察官による盗撮事件について、「隠蔽」から「摘発」に方針転換したという。

ウェブサイト側は、この家宅捜索で「県警が適切に令状を示さなかった」などと訴えている。
逮捕まで5か月もかかったことについて、県議会でも疑問の声があがった。
県議会議員
「被疑者逮捕が非常に遅くて5月13日ですが、なぜこういう風に遅くなったのかというのが解せないんですが」

県警幹部
「防犯カメラの回収や精査など、継続して捜査がなされていたことを確認しております。年度末の春の人事異動があったり、一連の事案(不祥事)への対応などといった事情もありまして、本事件の立件が5月になったことは事実でございます。
本件に関する資料の流出等が確認されたから、隠せなくなって捜査をしたなどという事実はないと明確に申し上げておきたい」

県議会議員
「本当に言語道断ですよ。県警のトップのワン、ツー、スリーと言っても過言はないぐらいの立場の方々ですよ。その方々が情報漏洩、隠蔽云々の中で報道されるということが」
5時間にも及ぶ県議会でも、納得のいく説明はなかった。