訓練に参加したことで 地域の人たちもその大変さに気づいた

こうした訓練にいち早く取り組んでいるのが、障害児の親でつくる日向市の「teとteの会」です。
(teとteの会 甲斐麻央さん)
「『津波が来たら、娘と一緒に流されます』と言ったお母さんの言葉がずっと胸の中に残っていて、『そういう選択しかできない地域だったらおかしいよね』、そして『仲間だったらおかしいよね』と思ったのが、絶対(訓練を)やるぞって思ったきっかけだった」

甲斐麻央さんの長女、愛梨さんは、吸引が欠かせず、車いすを利用。
金丸香織さんの長女、詩乃音さんは、呼吸器や24時間の吸引などが必要です。


同じ地区に住む甲斐さんと金丸さんは、地域の防災訓練に親子で参加することから始めたといいます。

(金丸香織さん)
「(訓練に参加して)『これは無理だ、やっぱり参加してみて無理、私たちだけじゃ命助けられない』という実体験がつなげたかなと思います」

訓練に参加したことで、地域の人たちもその大変さに気づいたと言います。
その後、数年かけて準備を重ね、今年3月、地域を巻き込んで避難訓練を実施しました。


家を出るまでに必要なことや持ち出す荷物など、地域の人たちに説明しながら、福祉車両や車いすでそれぞれ避難しました。
(甲斐麻央さん)
「この実践訓練を今後どう生かしていくのかということで、『個別支援計画』というのも必要になってきますし、それを作るだけでなく、自治体であったり、地域の方、みんなで周知することがどれだけ必要なのかということがすごく見えてきた」
