脚本家チームが太鼓判を押す最終話に言及!

物語の根幹に関わるスタッフに話を伺う中で、アイディア出しが秀逸だなと思った人物を尋ねると、一斉に飯田プロデューサーを凝視する脚本家チーム。「私たちの打ち合わせを聞いて、言葉の合わせ方やアイディアなど、いっぱいくださるので、私たちも“それ貰います!”っていうことが結構多かったです(笑)」(山本氏)。

第2話のラストで明墨と赤峰が対峙するシーンで出た、「家族を守るために、人を殺すか」に始まる「正義とは何か?」というメッセージの挿入を飯田プロデューサーは強く希望していたという。「そのお話を最初に聞いたとき、作品の中で印象付けるためにはどのシーンに入れたらいいかと、私たちの方でも話し合いを重ねました」と山本氏。続けて飯田プロデューサーは「第2話を作った段階では、すごく印象的なシーンだねということで終わったのですが、李さんがその言葉をより考えさせられるものに昇華してくださっています」と最終回の展開を匂わせる。

ここでひとつ頭に入れておきたいのが、本作の最終話が出来上がったのは放送が始まって間もない4月末ということ。正式に台本化する前の「準備稿」と呼ばれるものは既に10話分完成していたそうだが、なぜ「決定稿」(=台本)にならなかったのか? それについて飯田プロデューサーは、「長谷川さんと明墨の在り方を打ち合わせしたかったんです」と言う。さらに、「実際に演じてどう思ったか、最後の終わり方をどうするかといった内容をお話ししました」とその詳細を語った。

そういった経緯も踏まえ、李氏は「縦軸の物語をみんなで最初に話し合っているので、共通した歴史みたいなものはあるのですが、その中で違う捉え方ができるのではないかと思いました」と最終回に込めた思いを語り、山本氏も「最終回前に全話観直していただきたいのですが、特に第2話はぜひ観て欲しい!」と力強く続けた。
李氏が「最終回はそれぞれのキャラクターが着地する」と太鼓判を押すと、福田氏も「視聴者の皆さんが観たいと思っているものが全部詰め込まれている」と重ねて自信を滲ませる。そして最後に話を伺おうと宮本氏に視線を向けると、「言われたいことを全部言われてしまった(笑)」。
自分たちの作り上げた作品について、目を輝かせながらその思いを語り合う脚本家チームは、まさにこのドラマの“ヒーロー”だ。