賛否両論ある中、祈る気持ちで観た第1話…

法曹界を描いたドラマはこれまでも数多くあり、個性豊かな弁護士や検察官、裁判官などがエンターテインメントの世界では描かれている。そのたびに、“異色の”という常套句が付くわけだが、それを鑑みても「殺人犯を無罪にする弁護士」というのは極めて異例ではないだろうか。しかもそれが“ダークヒーロー”という暗躍するタイプの主人公ではなく、自分の過去の過ちを正すために突き進む“アンチヒーロー”なのだ。
第1話放送前からネット上では賛否両論、侃侃諤諤の意見が交わされているのを目にしたが、山本氏は「第1話で明墨の全てを見せることができないどころか、厳しいセリフも言わせなければならない。主人公なのに嫌われる要素が多分にあり、私たち自身も視聴者の皆さんにどう受け取っていただけるかが不安でした」と3ヶ月前を振り返る。だが、実際に放送を観た山本氏は「撮影の手法やセリフの言い回し方などが想像以上で、脚本で読むよりも明墨が魅力的なキャラクターになっていました」と喜びを滲ませ、その言葉に深く頷く3人。
脚本に対する手応えよりも、仕上がったドラマに対する興奮が隠しきれないといった様子の宮本氏は、「もちろんその情景を想像しながら脚本を書くんですけど、ドラマを観たらそれが想像以上で。セットやカメラアングル、照明さんチームの光の当て方など、様々なところに感激してしまいました(笑)。自分たちよりもスタッフさんや役者さんたちが素晴らしくて、台本をうまく引き上げてくださったなという思いです」と続ける。さらに福田氏も、「僕の家族も、こんなリアルな法廷ドラマを初めて観たと言っていました。まさに現場の力ですね」と感慨深げだ。