「落ち舌」増加の原因

「落ち舌」の原因としては以下の要因が挙げられます。
◆幼少期からの口周りの筋肉の発達不足
◆硬いものより柔らかいものを食べる頻度が多い
◆マスクでの息苦しさで口を開けることが習慣になってしまった

照山裕子歯科医:
よく最近言われているのが、小さい頃から柔らかい食べ物を食べて育っている方が多いので、口周りの筋肉がそもそも発達してないということです。
また、体の中で老化が一番早いのが口だと言われています。早い人だと40代から口の機能が落ちていると言われていますので、口周りのケアが長生きの秘訣です。

グミで「舌」チェック&トレーニング

舌の力があるかどうか、簡単にチェックする方法があります。用意するものは「グミ」。

グミを1粒口の中にふくみ、舌を使って力を入れずに、上前歯の歯茎の裏側に押しつけます。その状態を10秒キープできればOK。
※のどに詰まらせないようご注意ください

照山裕子歯科医:
上あごのところにつけることによって、舌がしっかりキープできているか、まず立ち上げる力があるかどうかを見るので、弱っている方だとこれでも結構しんどいという方もいます。

続いては、「落ち舌」にならないためのトレーニングをご紹介します。それが「かみかみリズム体操」。

ステップ1:舌のポジションをリセット
〈1〉好みの硬さのグミ1粒を口に含み舌の上に乗せる
〈2〉舌を使って、グミを上の歯茎の裏側にぐっと押しつけて10秒キープ

ステップ2:3・3・7拍子がみ
〈1〉ステップ1のグミを左側の歯に持っていき3・3・7拍子のリズムで噛む
〈2〉舌でグミを右側に持っていき、同様に3・3・7拍子のリズムで噛む
飲み込める大きさになるまで〈1〉〈2〉を繰り返す
※ゆっくり行なってください
※のどに詰まらせないようご注意ください

照山裕子歯科医:
「一口で30回噛みましょう」ってよく耳にすると思うんですね。やはりそのぐらい細かくすることで、体に負担をかけずに消化することができるというのも一つの目安なんです。
途中で飲み込んでしまう方は「早飲み」の可能性があるので、頑張ってちっちゃくなるまで噛んでください。これが練習になります。
こういうトレーニングを普段のおやつタイムなどに取り入れていただければと思います。

もう1粒用意して、今度は右側から噛み始めるようにすると、左右バランスよくトレーニングすることができます。

弁護士 八代英輝:
2粒で同時にはできないんですか?

照山裕子歯科医:
逆に誤嚥が起きてしまう可能性があるので1粒の方がいいです。グミもいろいろな硬さがあるので、自分の口の力に合わせて弾力を変えてみるのもいいですね。
ただグミには糖質が含まれていますので、虫歯の心配もありますから、最後は必ずゆすいでいただくことも大事です。

ステップ3:毒出しうがい
コップ一杯(120ml)の水を用意し、
〈1〉水を口に含み上の歯に向けてクチュクチュと音が出るくらい、強く早くぶつける。
10回ぶつけたら水を吐き出す
〈2〉水を口に含み下の歯に向けて唇の下が膨らむくらい強くぶつける。
10回ぶつけたら水を吐き出す
〈3〉〈4〉同じように左奥歯・右奥歯にも頬が膨らむくらい水を強く10回ずつぶつける。

水は吐き出しても飲み込んでもOK。一日2回が目安で、お茶で行なっても大丈夫です。

照山裕子歯科医:
これはちょっとあわててやっていただくぐらいでちょうどいいです。
しっかりうがいするには、実は舌の力をキープしないとゆすげないんですよ。
「洗い流す」+「口の機能を鍛える」いいトレーニングになりますので、ここまでセットでやっていただいて、お口の健康をキープしていただきたい。