震災の津波で多くの児童らが犠牲となった宮城県石巻市の大川小学校で、新任の校長を対象とした研修会が開かれ、参加した校長が防災意識を高めました。
大川伝承の会 佐藤敏郎さん:
「阪神大震災も100年前の関東大震災も能登や熊本の地震だって被災地と呼ばれる直前までそうではなかった。特別じゃない場所に特別な時に災害が来る。ここで話をするたびに思う」

石巻市の震災遺構・大川小学校で開かれた研修会には、県内の公立の小学校から高校までの新任の校長92人が参加しました。会では、大川小を襲った津波で6年生だった次女を亡くした佐藤敏郎さんが日頃から学校全員で防災と向き合い、本気になって命を守る意識をもつことが大切だと呼びかけました。
大川伝承の会 佐藤敏郎さん:
「完璧な訓練とか完璧な防災はありえないですよね。でも本気になることはできますよね。今すぐ、お金もかけずに時間もかけずにできる」
大川小では児童と教職員合わせて84人が津波の犠牲となりました。参加した校長は校庭や裏山を歩きながら、あの日の出来事に思いを巡らせ、防災や危機管理の意識を高めていました。

蔵王町立遠刈田中学校 堀内宣久校長:
「もう少し校長としてどういう風にしていけばいいのか、防災って何なのかもう一回考えたいと思う」
中新田高等学校 早川健次校長:
「よりベターなもの(防災)を先生方と話をして、高校生なので生徒たちの意見も聞きながらいいものをまとめていけるようにしたい」
この研修会は、大川小を巡る津波訴訟で、学校の防災態勢の不備を認める判決が確定したことを受け県教育委員会が2020年から毎年行っています。