
(丸田響耶さん)「お風呂ですかね。入浴前にカバーしないといけない。チューブが身体に侵入してる部分をガーゼで。湯船に浸かってはいけないから、シャワーだけ」
母親の美夏さん(34)です。入院した5か月間は、ケアマネージャーの仕事を休んで、響耶さんのそばに付き添いました。
(母・美夏さん)「できないことも増えたが、それでもこうして自宅に帰ってきて家族や友人と過ごせる時間が何より。優秀な機械を入れてもらうことができたが、やはり機械なので、不具合だったりが心配。何も問題ないよねっていう…今も不安の方が大きい」

学校では友達や先生が応援「卒業一緒に迎えたいなって、ただそれだけ」
中学校は自宅から車で10分の場所です。父親か母親の運転で登校しています。学校に着くと響耶さんを気遣って、友だちがかばんや荷物を教室まで運んでくれます。
手術後の響耶さんをスムーズに迎えようと、担任の山内先生は医師から緊急時の対応について説明を受け、それをもとにマニュアルを作りました。内容は、補助人工心臓の機械の故障やアラーム、響耶さんの体に内出血やあざがある場合など、医療機関に連絡が必要な状況や初期対応などが細かく書かれています。教職員だけでなく、生徒たちにもこの内容を伝え、共有しています。

(栗野中学校 山内充教諭)「卒業一緒に迎えたいなって、ただそれだけ。一番つらい思いをしているのは響耶君本人。響耶君の生きる姿に子どもたちが力をもらったところの方が大きい」
響耶さんが座る席は、教室の端の一番うしろと決まっています。