国が難病に指定している「拡張型心筋症」。心臓が大きくなって収縮できなくなり、全身に血液を送れなくなる病気で、2万人に1人がかかるとも言われています。
この病気と闘いながら鹿児島県北部の内陸の街、湧水町で暮らす中学生がいます。
丸田響耶さん14歳。今年4月、5か月間の入院生活を終えて、家族と久しぶりに自宅近くの桜並木を歩きました。

(丸田響耶くん)「入院してるときは外出られなかったので、外の空気が吸えるといい」
5人きょうだいの次男で、いつも笑顔を絶やさない響耶さん。3年前、小学6年生の時に採血検査がきっかけで、拡張型心筋症とわかりました。

拡張型心筋症は、一般的に遺伝子の異常や、炎症が原因ともいわれていますが、まだ分かっていないことが多い病気です。
ゆっくりと進行する病気で、初期症状では、息切れや疲労感があります。若い人は息苦しさがあっても慣れてしまうことから、症状に気づきにくいことがあるといいます。
響耶さんは友だちの影響もあり、小さい頃からソフトボールに打ち込んでいました。しかし、6年生で病気が発覚してからは激しい運動は禁止され、大好きだったソフトボールも辞めざるをえませんでした。
そして、これ以上心臓の筋肉へのダメージが進まないよう薬の服用を続けていましていたが、去年9月に容体が急変。福岡の九州大学病院に入院しました。