大きな期待も効果実感は「まだ」

にぎわいを取り戻す起爆剤として期待される徳山デッキ。中核店舗のオープンから1か月あまりがたちました。すぐに大きな効果が…、というわけではなさそうです。

メンズ・ショップ マエダ・前田愛一郎さん

「正直言ってあまりないですね。まだまだ小さいエリアでの影響で、このエリアまでは上がってないですね」

徳山デッキから歩いて3分ほど。「銀南街」に73年店を構える「メンズ・ショップ マエダ」の前田愛一郎さんです。最盛期から今まで、中心商店街の移り変わりを見てきました。まだ徳山デッキの効果を実感してはいません。しかし、寄せる期待は大きいものがあります。

前田さん

「ようやっとスタートに立ったと思ってますね、とにかく今新しくできた徳山デッキをこれを成功させないと、徳山の未来は無いと思うんですよね」

市の最新の調査では中心市街地には366の店がありますが、そのうち83が空き店舗です。空き店舗率22.7パーセントは過去最高です。さらに、インターネットショッピングの台頭や設備の老朽化、店主の高齢化、後継者不足など、商店街は厳しい状況に立たされています。

人のつながりやあたたかさを次世代へ

商店街の衰退は全国的な流れでもあります。しかし、前田さんは「商店街ならではの魅力もあるはず」と話します。

前田さん

「人と人とのつながりが、大型店では希薄だろうけど、専門店ではまだまだそれが残ってると思うんですよね」

大型店にはない地域とのつながりや人のあたたかさをつないでいくために。商店街は転換期を迎えています。中心商店街の各組合では徳山デッキ・オープンを機に、デッキから商店街までの動線を整備し、人の流れを生み出す計画が動き始めています。

徳山みなみ銀座商店街振興組合・藤村哲一理事長

「まあ今からだと思います。徐々に徳山デッキが認知されて、お客さんも来られてにぎわい出すのは。われわれが、周りの商店街がどこまで今からついていけるかが課題じゃないかなと」

メンズ・ショップ マエダ・前田愛一郎さん

「きれいさとか利便性は今のショッピングセンター、そういうところが大事だと思うんですけどね、1番大事な商店街の人のつながりを大事にしたところは失ってほしくないなと思いますね」

時代や人々の生活様式が大きく変わる中、地域の商店街が生き残ることはできるのか。「地域の顔」復活へまちづくりは新たな局面を迎えています。それは、正念場でもあります。