大雨がもたらした各地の被害の程度は、その全容がまだ分かっていません。ただ、リンゴやアユ、サーモンなど、一次産業にも甚大な被害をもたらしています。

岩木川沿いにある弘前市のリンゴ園。きょうになっても園地は広い範囲で冠水したままです。一次産業への被害はリンゴだけではありません。

※鰺ヶ沢町農林水産課 加藤信行水産班長
「お盆前ですし、(地元に)戻ってきた人に、地元ふるさとの味を楽しんでもらうために今ちょうど出る時期なんですけれども…」

旬を迎えた鰺ヶ沢町の名産にも、甚大な被害が出ています。鰺ヶ沢町にあるアユとイトウの養殖施設では、赤石川が越水して養殖の池に濁流が流れ込み、魚が流されました。全容はまだ分かっていませんが、4万から5万匹が飼育されているアユは、少なくとも、その四分の一は被害を受けたとみられ、被害額は数百万円に及ぶと見られています。
鰺ヶ沢町のアユは「金アユ」と呼ばれ、旬を迎える今の時期は、地元の味として帰省客にも多く提供されていました。

※鰺ヶ沢町 農林水産課 加藤信行水産班長
「やっぱり自然になったものでどうにもならないのは分かっているけど、もし(帰省客が)来たとして、楽しんでもらうためには今あるものをなるべく提供してよろこんでもらえたら。頑張るしかないなと思っています。」
養殖場への被害は、深浦町でも…。

※JNN取材団 遠藤怜子記者
「山が崩れて川が氾濫したこちらの養殖場でも甚大な被害がでました。」

こちらは「青森サーモン」の稚魚を育成する中間養殖場です。流れ込んだ濁流はいけすに入り壊滅的な被害となっています。

※日本サーモンファーム 岡村大祐取締役
「我々は卵から育てているので、ふ化させて、え付けをして、大きくなってきたなというところだったので非常に残念」
この場所で育てた稚魚は冬に海面養殖場でサーモンへと成長させますが、今年の水揚げは10分の1程度になるとみられ、関係者は不安を抱えています。

※日本サーモンファーム 岡村大祐取締役
「(ここは)川も比較的穏やかだし、地元の方が言うには何十年も氾濫することはなかった川/我々も養殖業を始めて7年ほど経つが、初めてこんなに大荒れしている」

復旧までにはかなりの時間を要すると見られています。