■「花火が嫌いな人なんていない」中止した東京都、大会の担当者は

東京23区内の花火大会は2022年もほとんど中止の状態。東京・墨田区、第42回隅田川花火大会もその中の一つだ。中止を発表したのは今年の4月8日。それまでにはたくさんの議論があったと担当者は言う。
隅田川花火大会実行委員会 担当
「2年間大会ができず、私たちもなんとかできる方法がないかと摸索していました。実は2021年11月の末ごろに少し国のイベントや催事の基準が緩和が決定され。『運営の方法次第では開催できるのでは』という期待感が私たちの委員会でも高まっていました。しかしオミクロン株などコロナの変異株が広まり、2か月以上の議論を経て中止の判断をしたというのが実際のところです」
3年連続の中止「他の地域は花火大会を催しているのに何故、できないのか?」という声も上がっていたという。
隅田川花火大会実行委員会 担当
「感染対策の部分で打ち上げ場所から、スペースを確保しようとするとどうしても住居があって難しい。また東京はやはり他の県と比べても群を抜いて感染者数が多かった。その中での万全な対策がどうしてもクリアできなかったところです。ただ一つ分かってもらいたいのが、大会に関わる関係各所、携わる全員が大会を行いたかったという点です。最後の最後までなんとか国の基準をクリアして開催することができないか、様々な声が上がりました。その議論の結果、中止という判断になりました」
来年にかける想いはーー

隅田川花火大会実行委員会 担当
「隅田川花火大会自体も歴史がありますし、花火は日本の大切な文化だと思うので、是非とも日本全国、そして海外からも人を呼べるような状態になっていることを祈っています。今年の中止を悲観するのではなく、来年こそは観ている人を幸せにする大会を開けるように、今できる準備をやっていこうと思います」
また都内で中止になった別の花火大会の担当も「花火」について想いを語った。
中止になった都内の花火大会 担当
「昨今のウクライナ情勢で特に思うのは『花火は平和だからこそできる』ということです。戦争の記憶が鮮明に残る人たちにとっては、空に響く爆音は恐怖の対象になってしまう。にも関わらずほとんどの日本人が、毎年夏が近づくと楽しみに待っている、日本人にとっては一つの“平和の象徴”とも言えるのかもしれないです。集まってくるたくさんの「花火大会を開いて欲しい」という声を聞いていると、花火が嫌いな人なんて居ないと思います。花火に照らされて、集まった人たちの笑顔が見えるあの瞬間を、来年こそは取り戻せるように私たちも全力を尽くしたいと思っています」

今年の花火大会はまだまだ多くの地域で予定されている。花火を見に行く際は、観客側の感染対策も重要になる。また東京のように今年が中止でも、2023年に4年ぶりの花火が上がった時は、花火大会を開くため奔走する人たちを思い出したい。