豚肉製品は「基準を満たせば台湾に持ち込める」 課題は周知不足
調査を実施したのは、台湾でマーケティング業を営む平良育士さん。
与那原町出身の平良さんはおよそ15年間東京の企業に勤務し、PRや広報を担当。台湾支社での勤務経験もあります。
今回の調査では、ポーク缶やレトルト商品など規制の対象外となる商品でも、「持ち込むことができない」と ”勘違い” をされていることが分かりました。
実際に台湾からの観光客に話を聞いてみました。
▽台湾からの観光客
「ちんすこうはOK、ポーク缶とレトルトパウチの2つはダメでしょう」
「缶詰はいける。きちんと密封されていれば」
「缶詰も匂いが漏れてしまったら持ち込めないはず」
▽台湾琉球黄豆冰有限公司 平良育士さん
「台湾の農業部に問い合わせをしたところ、3つとも全部持ち込みOKです」
▽台湾からの観光客
「全部いいんだ!お~!分かりました、ありがとう!」
豚肉製品の持ち込み基準に関して、台湾の人たちの認識は曖昧なようです。平良育士さんによると、台湾農業部の基準では「安全密封」「加熱殺菌済み」など4つの基準を満たしていれば、豚肉製品でも台湾に持ち込めるといいます。
このため、台湾の人が安心して商品を購入できるよう、平良さんは、持ち込みの可否を評価するラベルを製作。
基準を満たした商品のパッケージなどに活用してほしいと考えています。土産品店も期待を寄せています。
▽わしたショップ国際通り店・店長
「客単価も上がりますし、県産品を台湾のなかに知っていただく良いチャンスだとも思いますので、私たちもとても嬉しいです」
▽台湾琉球黄豆冰有限公司 平良育士さん
「沖縄に来なくても、県産品が台湾で消費されるっていうのは、おそらく県が目指していることだと思う。沖縄の台湾におけるPRは、まだまだ発展途上だなと感じる部分が結構あるので、そういった点でも重要だと思いますね」
観光客も、個人で判断するのは難しいはず。ラベルがあると安心できそうです。平良さんは引き続き台湾当局や県内のメーカーと調整し、7月にも、このラベルの運用を始めたいと話しています。
沖縄県内の食肉加工メーカーはRBCの取材に対し、「慎重に検討すべき問題。さらなる調査を続け、時期が来たら協力したい」との見解を示しています。
(取材:與那嶺啓)