国民が持つ現金の半分を占める『タンス預金』がカギ!?

 もう一つ期待されているのが『タンス預金』が掘り起こされて景気上昇の後押しになるのではないか?という点です。日本のタンス預金は非常に多く、国民が現金で持っているお金の半分くらいはタンス預金ではないかとも言われています。

 その背景として挙げられるのが、まず「預金保護は1000万円まで(1金融機関あたり)」というペイオフ解禁が2005年頃から言われ始め、預けてもなくなるリスクがあるとなったこと。特に90年代後半、金融機関がかなり不安定になった時期があるので、家に置いておこうという人が増えました。さらにバブルが崩壊してデフレとなり、お金の価値は置いておけば上がる時代だったため。さらにこれは良くないことですが、相続税を回避するという目的でやっている方が多かったのではないかということです。

 新紙幣に変わると、心理的に古いお金を多く持っていたらそれを使うときに疑問を持たれるので替えておこうかということで、これが少し景気の後押しになるのではないかという見方と、新札に替えればいいだけなのでそれほど効果はないのでは、という見方と両方あります。

 7月3日から流通が始まる新紙幣ですが、3日の午前中に各銀行に配送されるそうです。店の立地や交通状況などで変わるため何時になるかはわかりませんが、新紙幣を早く手に入れたい人は、3日に銀行で下ろしたり両替したりした場合、初日から手に入れることができるかもしれません。また銀行のATMは3日の朝から新札対応になっているということです。

 最後に注意してほしいのが、新紙幣が始まったときに詐欺が必ず出てくるということです。例えば「古いし使えなくなりますから取り替えますよ」「持ってきてください」など、電話がかかってくることもあります。しかし、新紙幣に関して公の機関から電話がかかってくることもなければ、旧紙幣が使えなくなることもありません。こういった詐欺には気をつけてください。

(2024年6月4日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より)