初登場!明墨とのシーンのために作り上げた紗耶の部屋

ついに明かされた明墨と紗耶の重く複雑な関係性。この重要なシーンも美術スタッフの心遣いあふれるセットで撮影された。二見氏は、舞台を成立させるだけではなく、より広がりを持たせる空間を作ることができるのは日曜劇場ならではの良さだという。「普通だったらロケにするシーンだと思いますが、芝居が重いので、ちゃんとセットで作り込んで紗耶のキャラクターを出しています。台本上では『紗耶の部屋』とだけ書いてあるのですが、廊下を作って窓も開け、外に洗濯物を干している様子がわかるように。広がりを持たせたセットにしています」。岩井氏は「明墨が紗耶の部屋に入ってくるのですが、あくまで他人の女子高生の部屋なので、密室になるのはどうかなって思ったんです。もともと養護施設の中の一部屋なので、廊下の抜けから職員の目が行き届くことが表現できれば違和感もなくなるのではないかなと」と、短いシーンに込めた思いを語った。
「紗耶の部屋には僕の娘と犬の写真を紛れ込ませています。犬の施設で働いているから、いろいろな犬の写真があってもいいかなと(笑)」と、ここでも遊び心を忘れない岩井氏。ちなみに、接見室の窓の曇りも、岩井氏自らが作品の世界観に合わせて作り込んでいるという。何気なく目に入る全てものに意味がある。それを感じながらドラマを観返してみるのも楽しいだろう。
