李さん:
「核の恐ろしさということです。二度とこういうものを使ってはならないということを伝えたい。今からだんだん大きくなっていく子供たちにも、普段は何も考えないけれども、原子爆弾という言葉が出てきたときに、『あの時じいさんこんなことを言っていたよね』と、思い出してくれればうれしいです」。

証言活動をする李さん

精力的に証言活動をしてきた李さんだったが、被爆から77年たった今年2月、盲腸がんと診断。放射能による原爆症と認定されたという。

李さん:
「最終的に、ガンですと。放射能によるガン。77年たってもこうして出るということは、いかに放射能が人間の体を食いつぶすかという。だからその事実を、なんとか元気なうちに。今ちょうど証言活動を中止しているんだけれど、何校か証言活動をしてほしいというのが入ってきているんですよ。それを何とか、放射能の恐ろしさというものを子どもたちに話をしながら、『核反対しようよ。恐ろしいよ』と伝えていきたい」。

7月30日、李さんは亡くなった。
93歳。盲腸がん…原爆症による死。
インタビューを終え、ほっとしたような笑顔を浮かべた。そして…
「お願いしますよ」。私たちスタッフや小川キャスターの目を見て、李さんはそう言った。