時代に合った新たな料金プランも
電気料金の値上げにはどんな対策ができるでしょうか? 九州電力のほかのプランを選択することもできます。ほかに、携帯電話を契約している人であれば、その携帯電話会社が出しているセットのプランもあります。新電力であれば楽天を選ぶこともできるし、ケーブルテレビ会社やガス会社のセットプランを選ぶこともできます。そうやって自衛する方法もあるので、調べてみる手はあると思います。
あと九州電力の場合、もうひとつ新しくて面白いプランがあるんです。「おひさま昼トクプラン」というもので、今年2月に九州電力が発表しました。先ほど言ったとおり九州では太陽光発電で電気が余っています。火力発電は昼間止めて、太陽光と原発でほぼまかなっている状態。それでも余っています。
だから、出力制御といって、太陽光発電を止めるようにしています。需給バランスが合わないと停電するからですが、それってもったいなくないですか? これまでは夜の方が電気代は安く設定されてきました。夜余る電気を使ってほしいから、より安くしてきたわけです。今は時代が変わって、昼の方が安いんです。
おひさま昼トクプランは10時から16時の電気代が安いんです。例えば洗濯乾燥機を予約で動かすとか、オール電化の家庭にあるエコキュート(給湯器)はこれからは夜間ではなく昼間に沸かすようにしてください。規制料金の半額ぐらいのです。その代わり、火力発電を動かさなければならない時間帯は高く設定されてます。すごく時代に合った料金プランなんです。
そうすると太陽光発電の電気を捨てないで済むし、火力発電で使う石炭や天然ガスの量が減ればCO2の排出量も減ります。しかも、太陽光発電は設備さえあれば、もうお金は要りません。燃料を入れることなく、ただ置いておくだけで、使えば使うほどお得な設備なんですよ。
普段なかなか電気のことを考える機会はないので、こうした値上げのニュースがあるときに、どうなっているのかを見直してみるのもいいと思います。