ペロシ米下院議長の訪台湾を機に中国の台湾を取り囲んだ軍事演習。日本のEEZにもミサイルが撃ち込まれるなど台湾周辺危機はこれまでにないフェーズに入った。そんな中、自民党の議員らが台湾有事における政策シミュレーションを行った。そこで“総理役”を務めた小野寺元防衛大臣をスタジオに迎え、実際に危機の時に、何が日本で起こって、日本はどう判断するのかを聞いた。
■日本の非核三原則…「原則ですから例外を作ることはできます」
台湾有事のシミュレーション。具体的には、台湾にミサイルが撃ち込まれ、尖閣諸島に武装した漁民が上陸する。台湾・尖閣で交戦中、邦人輸送問題、アメリカとの連携など様々な課題ごとに議論が行われた。さらに中国が威嚇を目的として無人島に戦術核を使用する事態まで想定された。そして焦点は、アメリカの核に対する日本の対応だ。果たして、小野寺総理役は、どういった判断をしたのだろうか?
自民党衆議院議員 小野寺五典 元防衛大臣
「人に影響がない威嚇だとしても核が使用された。となれば、次は日本にも使用されるかもしれない。(中略)これまで非核三原則、作らず、持たず、持ち込ませずでやってきましたが、実際にアメリカの核の傘の下にあることを見せるためにはどうしたらいいかっていう議論をしました」
「ただ現実は、アメリカは核ミサイルを搭載した戦略原潜を、わざわざ浮上させないでも海の底でどこからか核の抑止を使ってくれるわけです。しかし今回アメリカから提案があったのは、わざわざ見せる方がいい。ここに来てるよ、って。で、また潜る。そのために日本に一時寄港する。でも日本の領海に入れば陸揚げしなくても“持ち込ませず”には抵触する。これをどうするか…(中略)岡田外相の時に『原則は原則であって、どうしようもない時は、時の政権の判断で対応』っていう判断があります。今回(総理役の)私としてはOKと明言はしてませんが、日本には非核三原則いう原則があります。ですから例外を作ることはできます。その時の状況でアメリカと相談するとお答えしました」
