HBCではクマの専門家や、クマ対策に関心のある大学生、札幌市の協力を得て「クマとまちづくり」を考えるプロジェクトを始めました。
まず試みたのは、「草刈り」の効果を可視化すること。
前編の事前調査に続き、この記事では、草刈り当日の様子と、気づいたことをお伝えします。(前編を読む)
ちいさな対策の、おおきな効果
今年度からスタートした「クマとまちづくり」プロジェクトには、酪農学園大学の佐藤喜和(さとう・よしかず)教授や、クマ対策に関心のある学生、そして札幌市が協力してくれています。学生は、北海学園大学、酪農学園大学、北海道大学大学院から参加してくれました。訪れたのは、札幌市南区真駒内。南町7丁目の町内会が、公園で草刈りを予定していると聞き、プロジェクトのメンバーで、その効果を調べたいとお願いすると、快く受け入れてくれました。
持ち込んだのは、クマの等身大パネル。

鼻先からお尻まで130センチ、足もとから肩まで、およそ90センチ。
住宅地でよく目撃される平均的な若いオスのクマの大きさです。
このクマを公園内の笹やぶの中に置き、どのくらい公園に近づくまで見えないか確かめると、場所によっては5メートル・10メートルの距離まで見えないことがわかりました。

こちらは10メートル地点。手を挙げている学生の足もとにクマを置いています。
クマと人がお互いに気づかずに近づき、ばったり出会うと、事故につながります。
草刈り当日。町内会とプロジェクトのメンバー、あわせて20人ほどが集まりました。
遊具に近い、笹やぶが生い茂っている場所に、クマのパネルを置きます。
一番奥、およそ20メートルの地点に置いたクマの目線は、この通り。

笹やぶしか見えず、この先に公園があるのは気づけません。
公園から見た視界は、こちら。

この中にクマが3頭いるなんて…まったく見えません。
これがどう変わるのでしょうか?