第7波の爆発的な感染拡大で医療機関がかつてない深刻な状況に追い込まれています。
感染者を受け入れている笛吹市の病院は一般の救急搬送を「断らざるを得ない状況」で医療崩壊に強い危機感を持っています。
富士温泉病院(笛吹市)村松高院長:
これ(第7波)が乗り越えられるかどうか、医療機関としてやっていけるかどうか。

国内で新型コロナが発生した当初から感染者を受け入れている笛吹市の富士温泉病院です。

今月に入ってからは常に20人以上の感染者が入院しています。
感染者用の病床は40ですが、これ以上の受け入れは難しいといいます。

富士温泉病院 村松高院長:
かなり厳しい状況。ベッドは空いているがマンパワーがもう足りません。

コロナ病床は現在、医師2人、看護師16人が交代で勤務しながら24時間対応しています。連日の暑さの中、看護師は防護服を着て入院患者を外で待ちます。

村松院長:
(医療従事者が)いつ誰が倒れるか、実際に倒れています。熱中症やストレスで潰瘍になったり、倒れて点滴しながらでも継続している状況です。
人手が足りない理由はほかにもあります。
入院患者は9割以上が高齢者で、治療だけでなく介護まで担うため、患者1人にかかる負担が極めて大きいのです。

村松院長:
いつ急変するかわからない。使いたい薬も腎機能、肝機能が衰えているので使えない。自分でご飯も食べられない。元々の状態が悪いのかどうかもわからない。
こうした状況から一般医療への影響もすでに出ています。

村松院長:
だいたい1日1回は救急車の(受け入れ)要請がある。(入院予定の)患者が入ってくるところに救急車(で受け入れた患者)を入れると、マンパワーが足りなくなってしまう。だから断らざるを得ない。

それでも急な発熱が出た人などに対応するため、お盆休み返上で外来を受け付けることを決めました。

村松院長:
(入院患者を)受け入れているので、結局お盆休みもない。出来る限りのことはやりたいと思う。だけどパーフェクトはもう無理。

先の見えないコロナとの戦い。
医療機関の深刻度は日に日に増しています。