■「名人戦」「竜王戦」の開催地は公募で決定…選ばれるポイントは?

ファインのみならず、開催地を大いに盛り上がる将棋のタイトル戦。その熱い戦いが繰り広げられる開催地を決める『公募』とは、どういうものなのでしょうか?

『公募』条件のポイントは次の通りです。

《「名人戦」公募の条件とは…!?》
「名人戦」にふさわしい対局場と宿泊施設。
大盤解説会と前夜祭ができる施設が周辺にある。
将棋を通した地域活性化や話題性などを考慮して決定。

「第82期名人戦七番勝負」第5局は、紋別市にある「ホテルオホーツクパレス」が会場となりました。実は、このホテルでは今から20年前の2004年にもタイトル戦の一つ「王位戦」が開催されています。

当時のトップ棋士である羽生善治さんと、谷川浩司さんと対局です。

「名人戦」第5局の会場となったホテルオホーツクパレス。20年前は「王位戦」の会場に(北海道紋別市)




そうした実績もあって「名人戦」に"相応しい対局の場所"という『公募』条件も、問題なくクリアできるのではないか…。そう考えた紋別市は、去年10月、「名人戦」開催地の『公募』に手を挙げました。

そして、今年2月【藤井八冠VS豊島九段】名人戦七番勝負・第5局の開催地に、見事選ばれたのです。

地元の将棋クラブ
「まさか紋別の地で名人戦…それも、いま全盛期の藤井聡太八冠が来るとは、夢にも思わなかった」
「"紋別って将棋が盛んなんだなぁ"と認識を新たに持ってもらい、紋別の将棋人口が増えてくれると、子どもたちにとって非常にありがたい」

第5局の開催決定を受けて、紋別市、商工会、飲食店などが実行委員会を結成。開催に向けて、さまざまな準備を進めてきました。

ただ一つ…地元・紋別の関係者たちは、とても大きな心配を抱えていました。