もうすぐお盆。
仏壇のある家ではキュウリを馬に見立てた飾りなどを供え、故人を迎えます。
以前は盆が終わった後、飾りは川などに流したりもしていましたが、今のご時世、環境問題の観点からもできづらくなっています。
こうしたなか、松江市の仏教会が始めた取り組みとは。

お盆になると、故人を迎えるため、この時期仏壇で目にするのが、キュウリやナスに足を付けた盆飾りです。精霊馬・精霊牛と呼んだりもしますが、そもそもこれは…
龍雲寺 西尾清文 住職
「故人に早く帰って来てほしいということで足の速いキュウリの馬を作りまして、力の強いナスビの牛で帰るという説を聞いたことがあります」

故人が乗るとされる「馬と牛」。
一方で…
龍雲寺 西尾清文 住職
「お盆の棚経に歩くと『せっかくお供えしたお供物をゴミ出しに出すというのは非常に心苦しい』と、仏教会それぞれのメンバーがよく耳にしていました」
以前は地域によっては供えた後、川に流したりもしていましたが、環境保護の観点から、できづらくなりました。
島根県松江市では対策として一時、家庭ゴミとは別にして盆飾りを回収していましたが現在は行っておらず、今は盆飾りはすべて「家庭ゴミ」に。
そこで松江市内100寺院余りで構成する松江仏教会は2021年、16日の盆明けに盆飾りを回収し、供養する取り組みを始めました。

龍雲寺 西尾清文 住職
「仏さまにお供えされた供物を回収するので、そこに関わるものであればなんでも結構です」
希望する人は、市内の葬儀社や仏具店などで供養料を支払い、盆飾りを回収専用の袋に入れて16日の当日、会場に持ち込みます。白潟公園ではその場で僧侶たちが法要を行います。

龍雲寺 西尾清文 住職
「仏心を持って盆を続けてもらい、若い方へもつながっていくと、我々としてはありがたいです」
お盆の風習も、時代にあわせて少しずつアップデートされています。