世界各国に大きな衝撃を与えた安倍元総理の銃撃事件から1か月が経ちました。事件の引き金となった「旧統一教会と政治の関係」「国葬」を巡る問題は深刻化。 岸田総理は内閣改造・自民党役員人事を前倒ししました。政局が節目を迎えるなか、官房長官として「安倍政治」を支えた菅前総理大臣に、「安倍政治」とは何だったのか、そしてこれらの問題をどう考えるか、自らはこれからどうするのか。じっくり語っていただきました。
(聞き手:TBSテレビ政治担当解説委員 石塚博久)

■安倍元総理死去 心の整理がつかない1か月


ーー安倍元総理大臣の銃撃事件から1か月が経ちました。

菅:
もう1か月なのかという思い。自分の心をなかなか整理することができません。


ーー(銃撃事件後、参院選街頭演説の様子を撮影した写真を紹介しながら)事件後にも関わらず集まってきた方々とグータッチをしています。

菅:
選挙活動というのはある意味で民主主義の根幹をなすもの。テロに負けてはならない。安倍さんもそういう思いだろうと胸に秘めながら臨みました。(グータッチをしたのも)逃げてはならないという思いです。

ーー安倍元総理と最後に会ったのは?

菅:
7月1日。2人とも名古屋にいました。時間が合わず会えないかなと思っていたらひょこっと来てくれた。そこで選挙情勢などを話しました。

ーーどんな様子でしたか?

菅:
元気いっぱいでしたね。いつも通りの元気な顔が印象に残っています。

■事件直後 搬送先の病院に行きたいと思った


ーー第一報を聞いたのは?

菅:
沖縄遊説のため空港に向かう車の中で。胸を撃たれたということで「右か左か調べてくれ」と頼んだら「左だ」と。自民党として、選挙運動は停止する方向と連絡があったので、搬送先の病院に行きたいと思い奈良に向かいました。

ーー移動中や病院での様子は?

菅:                                       時間が経つにつれ厳しい内容のメールが多くなってきました。到着したのは(死亡確認後の)18時頃で、昭恵夫人にご挨拶をしました。ご遺体はまだ検死中だったので2時間ほど待って対面をしました。

ーーどんなお話を?

菅:
「大変お世話になりました」という趣旨のお話をしました。