現役時代の打撃不振時に長嶋茂雄氏から電話!?
―――掛布さんも現役時代に4番を打っていました。ただ、打撃不振に陥ったこともあったということですね?
「当然あります。全く打てないときがありました。とんでもなく野次られました」
―――打撃不振に陥ったときはどうされましたか?
「それがね、よく話しているのですが、長嶋(茂雄)さんから電話がありました。家に電話がありまして、子機を持って話していたんですけど、『バットあるか?ちょっと振ってみろ』と。だから僕は子機を肩と耳の間に挟んで、振ったんですよ。何をやっているんだろうと思ったんですけど、電話越しに長嶋さんが『それだ、それでいいんだ』って言うんです。僕にはね、その声が“お前のベストスイングをすれば怖いものはないじゃないか”というふうに聞こえたんです。そう背中を押された一言で、僕は打点王とホームラン王の二冠王になりました。巨人の監督経験がある方が、阪神の4番に対して手を差し伸べてくれる。長嶋さんの気持ちの大きさといいますか、プロ野球は巨人が強いだけじゃ駄目なんだと、巨人と争ってファンの方に喜んでもらうプロ野球じゃないと駄目なんだというメッセージでもあると思いますね」














