鹿児島県の総合防災訓練が26日、奄美市で11年ぶりに行われました。今回、テーマとなったのは、地震・津波・大雨といった複合的な災害と、能登半島地震で相次いだ集落の孤立への対応です。
奄美市で11年ぶりに行われた県の総合防災訓練。警察・自衛隊など80の機関からおよそ1000人が参加しました。
訓練は、奄美大島近海を震源とするマグニチュード8.2の地震で大津波警報が発表され、さらに記録的短時間大雨情報も出されるという、複合的な災害を想定して行われました。
今回、訓練のポイントの1つになったのが、今年1月の能登半島地震で相次いだ集落の孤立です。奄美大島でも去年6月、2日連続の線状降水帯で土砂崩れが相次ぎ、宇検村では6つの集落でおよそ360人が3日間、孤立しました。
こうした教訓を踏まえ、訓練では、集落につながる道路で土砂崩れが起き、車が通れなくなったという想定で、陸上自衛隊の隊員15人が、奄美駐屯地から15キロの道を水や食料を背負って運びました。
(自衛隊員)「重たいです。重さ20キロあります。歩いていくしかないので、持っていくしかないのでやります」
(奄美市・安田市長)「災害対応の専門部隊で、様々な経験・知見を蓄積している。様々な機能を持っていると思うので、(自衛隊は)非常に重要な役割を担っている」
また、複合的な災害を想定して、地震の揺れで倒壊した家屋や、大雨による土砂崩れに巻き込まれた車から住民を助け出す訓練のほか、消防・警察・海上保安部が協力して、津波で流された人を救助する訓練もありました。
(奄美市民)「訓練の成果を見られるので防災意識がすごく高くなる」
(奄美市民)「能登半島地震で災害のひどさを目の当たりにした。奄美で起きた時のことを考えると、大事な訓練だと思った」
一方で、天候の悪化や津波が発生によって、島外から救助の応援や支援を受けられなくなるケースも考えられます。
(奄美市・安田市長)「どうしても(離島は)人員や資機材が限られ、お互いの連携で打開していく局面も十分想定」
島外からの支援が受けられなくなった場合、どう対応するか?課題も残っています。