新茶シーズン真っ盛りですが、静岡茶は、いま大きな転換点を迎えています。
生産量は2年連続で鹿児島に首位を譲り、高齢化や担い手不足は待ったなしの状況が続いています。静岡茶の将来を担う人たちが訴えるのは「意識改革」の必要性です。
静岡県内の一番茶がいまピークを迎えています。
掛川市で日本茶の製造・販売を手掛ける「カネジョウ佐々木製茶」には1日当たり60トンほどの茶葉が届けられます。
創業105年の歴史を誇るこちらの会社でいま人気なのが、併設するカフェで提供される抹茶を使ったスイーツです。
<LIVEしずおか杉本真子キャスター>
「とっても濃厚です。とにかくお抹茶が濃いですね」
スイーツは、国内からの客だけでなくヨーロッパやアジア圏の観光客に好評だそうです。
<茶の庭 藤田幸介さん>
「カフェ利用のお客さんも多いですし、抹茶を事業者としての取引をしたいという方も増えていますね」
空前の抹茶ブームが起きている一方で、県内の茶業界は見通しが立たない状況が続いています。
<カネジョウ掛川中央茶業 佐々木優専務>
「農家さんが高齢化と担い手不足が私たちの茶業の現場では大きな問題になっていまして」
担い手の減少に伴って県内の茶園の面積は減少傾向が続き、この20年間で約半分になりました。

それに伴い荒茶の生産量は、2024年、鹿児島県に抜かれ2位に転落しました。
静岡茶は大きな転換点を迎えていますが、佐々木さんはもっと広い視点で状況をとらえるべきだと訴えます。
<カネジョウ掛川中央茶業 佐々木専務>
「静岡はお茶どころで、すごくプライドも持ってやっていますし、でもいま静岡がとか鹿児島がとかいうフェーズじゃないと思う自分もいます。オールジャパンというか」
静岡のお茶に求められる「世界進出」。県は静岡茶をグローバルに発信するため、デザイナーの佐藤可士和さんをプロデューサーに迎え、新たなブランドを立ち上げました。
伝統を引き継ぎながら時代に合わせたアプローチが求められているのです。
世界を目指す動きは県内で広がっています。
この日、静岡市の観光施設に出店したお店に並ぶのは、静岡茶とお酒を融合させたクラフトティーカクテルです。
県内産の茶葉とドライフルーツやスパイスを配合したキットをアルコールで抽出することで完成します。
<訪れた客>
「すごい飲みやすくておいしかった」
「お酒があまり得意じゃない人でも、お茶で楽しめるから良いなと思った」
手掛けるのは、静岡市でスタートアップ企業を経営する三浦弘平さんです。
2025年の秋にアメリカで先行販売を実施した際は、半日で30万円ほどの売り上げを上げる人気ぶりでした。
<ZENTEABREW 三浦弘平CEO>
「伝統を守るだけで、未来に繋がるのかと考えた時に、今僕らが伝統と呼んでいるものって数百年前の誰かのイノベーションだということに気が付いたんですよ。なので今僕らが本当にやらなければいけないことは、伝統を守るではなくてイノベーションを起こすことかなと」
チャンスは海外に広がっている。岐路に立つ静岡茶の発展に重要なのは海外に向けた視野と「変革」を恐れない意識です。

緑茶の輸出量は、近年の世界的な健康ブームにのって急激に伸びています。円安も輸出にとっては追い風になっています。

静岡茶の今後の在り方について静岡県立大学茶学総合研究センターの中村順行教授は「市場拡大のために地域の産地間競争ではなくグローバルの戦いになっていく。この大きな変革期に『現状を残しながら』『次の時代を作る工夫』が地域全体で必要だ」と話しています。














