「余白」へのこだわりと、役者との“化学反応”
——今回のドラマでのこだわりや、譲れないポイントはどのようなところでしょうか?

一番気を付けている点で言えば、まことの「恋の相手」が誰なのかというのを皆さんに想像して楽しんでもらえるようにすることです。作り手側として1つのキャラクターに偏らないように均等に愛情を持って物語が運んでいくことを意識しています。「この人のパターンだったらどうなるんだろう」など想像して楽しんでもらえる「余白」のようなものをちゃんと残して見せていきたいというのが、最初から一貫してこだわっているところです。
リアルタイムで“エゴサーチ” 視聴者の声生かすドラマ作り
——最初の質問にも通じますが、ご自身がドラマを作る「職人」と感じることはありますか?

みなさんやっていることだとは思うのですが…私は必ずオンエア中 にX(旧Twitter)を見ているんです。観てくださる皆さんがどう感じて何をつぶやいているのか、どこにどうリアクションしてくださっているのかというのが気になってしまい…。4話の最後で、まことの誕生日に駆け付ける3人に対して、つぶやいている皆さんがそれぞれの推しのキャラクターを応援してくださっていて、三者三様で、そうやって楽しんでいただけていたのはすごくうれしかったですね。皆さんちゃんと、特定の方を指して誰が本当の恋の相手かというようにストーリーを俯瞰で観るのではなくて、「○○頑張れ!」などと応援してくれているのが伝わってきました。「男性3人のキャラクターが愛されてくれているな」というのがすごくうれしいです。
——いわゆる「エゴサーチ」ですね(笑)。

エゴサーチをしていることを隠す気は全然ないです。どうしても気になってしまうので(笑)。例えば、つぶやきが少ないキャラクターがいても、次の話ではちゃんとフォーカスする予定もあったりで、こちらの「予想」と答え合わせをしながら「よしっ!」と思ったり。もちろん「ああ、やっぱりそういう風に見えてしまったか…」と「誤差」が生じることもあり、そこは「次でちょっと修正しよう」とか、その都度調整を行っています。Xを見たことによって軸がブレることはないよう心がけつつ、皆さんのコメントをリアルタイムで見て、どこに反応したかを確認しながら、進行中の台本作りにも活かしています。
そういう意味では、出演者のみならず視聴者の方たちとも“一緒に作っている”感覚もあり、ドラマ制作を続ける上での励みになっています。