中野市で散歩をしていた女性2人と、通報で駆け付けた警察官2人が殺害された事件で、逮捕・起訴された青木政憲(あおき・まさのり)被告32歳が、動機について口にした「ぼっち」という言葉。
「ひとりぼっち」を省略した言葉ですが、取材を進めると青木被告がこの「ぼっち」という言葉を巡って、勤め先でもトラブルを起こしていたことが新たに分かりました。
孤独・孤立する人の現状と支援策についても考えます。


4人を殺害した青木政憲被告。

これまで、どのような人生を歩んできたのでしょうか。

小学生の頃は少年野球チームに所属していました。

近所の人:
「みんなで集団で遊んでいるのを見ても、本当に変わりなく、キャッキャして無邪気に遊んでいる子どもだった」

中学校の卒業文集には「自分が思う事」と題し、次のように綴っています。

「大事な物について。この世の中で最も大切なものは『命』だと思います」
「では、2番目は何かと問われたら私は間違いなく『金(かね)』と答えるでしょう」

5月、SBCの取材に応じた中学時代の知人は・・・

「普段の様子は静かというかおとなしい様子ではあった」
感情が表情に出ることは?
「基本的には本当に冷静な様子というか、特に(感情が出ることは)なかったですね」

高校は地元の進学校へ。

山岳部に所属していましたが、当時の顧問の元教諭は、繊細さが垣間見えたといいますが、青木被告がひとりぼっちでいるように感じたことはなかったと振り返ります。

青木被告を知る山岳部の元顧問:
「僕が写真撮るので(青木被告が)歩いている姿を写真撮ろうとするんですけど、『あまり僕のところは撮らないで下さい』と言われたことがあります」
「授業中の姿を見ていても、ぼっちといことを感じたことは一度もありません。むしろ何があったんだろう、彼が卒業してから」

近所の人などによりますと、青木被告は1年間の浪人生活を経て、東京の大学へ進んだものの中退。

周囲と馴染むことができず、地元に帰ってきてからも、人との関わりはほとんどなかったということです。

青木被告の父親の知人:
「(市議会議員を務めた父親の)選挙会場でも息子(青木被告)を見たことはない。近所の噂でも、まったく外に出てないんじゃないかみたいな話も聞く」

そして、引き起こされた凶行。