新型コロナに熱中症…搬送困難事案が増加


取材した日の最高気温は、35度を超える猛暑日。午後1時頃、また出動要請が入りました。

1人暮らしの80代女性の自宅のポストに、3日分の新聞が溜まっていたことを不審に思った近所の人が通報しました。

自宅の畳の上で倒れていた女性を救急車に運び、熱を測ると39度5分。熱中症や新型コロナの感染が疑われます。



(救急隊)
「発熱の人はちょっと受け入れが難しいって」

最初に電話をかけた病院は高熱の患者を受け入れるのが難しく、女性は別の病院に搬送されました。搬送後は直ちに次の出動に備え、車内を入念に消毒。常に準備が万全であることを求められます。


名古屋市では7月から第7波に入り、新型コロナに関連する出動件数が急激に増加。同時に、搬送困難の事案も確実に増えています。

(本部救急隊・川島直樹主査)
「コロナが増えてきて、病院のベッドがだんだんなくなってくると本当に緊急で搬送したい人の搬送先がなくなってしまう。長時間救急車で待たされている方を見ると、何とか改善してあげたいなと思います」

毎年、夏に増えるのが熱中症。一番のポイントはこまめに水分を取ることと塩分の補給。あとはなるべく涼しいところで過ごすようにしてほしいと言います。

食事は15分、風呂は5分…息つく間もなく次の現場へ


午後3時、ようやく昼食です。すぐ食べられるように冷たいうどんに、キュウリを山盛りにトッピング。15分で食べ終えると、この日6回目の出動の要請が入り、息つく間もなく次の現場へ向かいました。

午後9時半過ぎ、その日1日の出動記録の作成や、連絡事項の共有をします。空いた時間を見計らい、川島隊長は風呂へ。わずか5分で風呂を済ませますが、すぐに次の出動要請が入りました。

到着したのは、名古屋駅のすぐ近く。20代の男子大学生が飲み会でお酒を飲みすぎ、気分が悪くなったと言います。


この後、別の現場にも出動し、署に戻ったのは夜中の1時でした。翌朝8時には、11回目の出動に向かいました。

(本部救急隊・川島直樹主査)
「一人一人、痛みとか苦しみは違うと思いますので、迷ったらすぐに救急車を呼んでいただければと思います」

1秒を争う救急の現場。市民の命を守る闘いは、今この瞬間も続いています。

CBCテレビ「チャント!」8月4日放送より