シリーズ被爆77年「進もう核禁への道」
6回目は世界に一つだけの ”被爆者の合唱団” 被爆者 歌う会「ひまわり」です。
高齢化が進み、平和祈念式典で歌声を披露するのは9日が最後です。
式典に臨む思いを取材しました。

♪ もう二度と作らないで わたしたち被爆者を~
 (「もう二度と」作詞・作曲 寺井一通) より

■ 「歌うのは生きてきた証」高齢化とコロナ禍で ”これが最後”

世界で唯一、被爆者だけで作られた合唱団被爆者歌う会『ひまわり』
2010年から毎年、平和祈念式典で代表曲「もう二度と」を歌ってきました。


しかし、新型コロナの影響で去年とおととしは出席が叶わず、3年ぶりにその歌声を響かせます。
でも、これが最後の出演です。


被爆者歌う会 ひまわり 主宰 寺井 一通さん:
「忌まわしいでしょう、原爆って。忌まわしいですよね。核兵器廃絶を願いながらずっと歌ってきたわけですね、私たちは。どうかその思いを最後に世界中の人に届けようという思いで」


2004年に発足したひまわりは、県内や国内だけでなく、ニューヨークやドイツなど海外でも、歌で核兵器廃絶と平和への願いを伝えてきました。
そして、結成18年目の今年、こうした活動が評価され秋月平和賞も受賞。
被爆者として歌い続けてきた功績が称えらました。

一方で、多い時にはおよそ60人いた会員は亡くなったり、体力的な衰えを感じたりして減少し、現在11人に。平均年齢は81歳になりました。
さらに新型コロナによる活動休止も追い打ちをかけました。

寺井 一通さん:
「みんなに元気がなかったんです。だからもう(式典の出演は)今年を最後にしなければ、ちょっと来年は無理だなあという感じが(あって)。
今年はもう最後だと思って、必死に思いの丈、頑張って歌い上げようと」

最後の舞台には、一度はひまわりを去った会員も奮い立ち、総勢25人でコーラスします。

田崎 禎子 会長(81):
「8月9日のために頑張ってレッスンしようっていう気持ちになりましたね」

池松 ヤス子さん(83):
「これから、とにかく世界中が平和に暮らせるようにという願いを込めて」

牟田 満子さん(86):
「被爆者として自分たちも今まで生きてきた証を。歌でね平和を広げていく」