「赤みを帯びた光」天文台に聞いてみると…
週明け。
最初に電話をかけたのは、「赤みを帯びた光」が見えた方角に位置するはずの広島大学宇宙科学センター附属・東広島天文台だ。
「そもそも天文台の緯度が低かったことと、当日の天気が良くなかったことから、特に観測はしていないです」

あいテレビの気象予報士に頼んで出してもらった12日午前1時現在の雲の様子。
オーロラの観測報告の相次いだ道北や東北、東海北陸地方は確かに雲がかかっていない。ただ、同じく観測されたという兵庫の日本海側にも雲がかかっているように見える。
気を取り直し、今度は愛媛県のお隣、香川県にある「まんのう天文台」に問い合わせてみる。
「当日は雨だったので観測自体していなかったです」
「ただ、もし天気が良ければ、四国でも、かすかにでも見えたのでは」
その言葉に、少し自信を持った記者は、松山市内から車を走らせれば1時間くらいで行くことのできる、久万高原天体観測館・天文台に電話をかける。
「緯度が低いので、見える可能性はかなり低いと思うが、ゼロでもないです」
「当日、雲がなければ、見えていた可能性はありますね」
「雲のすき間、あるいは下の方から見える可能性も、ゼロではないです」
ゼロではないものの、限りなくゼロに近そうな雰囲気。けどやはりゼロではないのだ。
こうなると、いよいよ写真に写り込んだ「赤みを帯びた光」の正体が気になる。何とか確証は得られないものだろうか。食い下がり、天文台の職員にオーロラの見分け方を聞いてみる。
「例えばですけども、光の中に、少しでも緑色が混じっていたならば、オーロラの可能性が高いと思いますよ。これは光の波長の話になるんですが、とにかく星の光に緑色というのはありませんし」