梅雨の期間は短くも降水量は多い予想…”短期集中型”の梅雨に

梅雨の期間は短くなりそうですが、気象庁が発表した最新の3か月予報によると、梅雨の時期にあたる6月・7月の降水量は、西日本の太平洋側を中心に降水量が平年よりも多くなる可能性がありそうです。

したがって、今年の梅雨は雨の降り方が強い日が多く、例年と比べると“凝縮された短期集中型の梅雨”になることが考えられます。梅雨の時期は、線状降水帯などの集中豪雨により毎年のように災害が発生しています。今年の梅雨は例年以上に雨への備えをすすめてください。

短期集中型の梅雨となる原因はインド洋にあり?

今年の梅雨はなぜ短期集中型になるのでしょうか。原因ははるか遠くのインド洋にありました。

現在インド洋の熱帯域では、海面水温が平年より高い状態が続いています。海面水温が高い分空気中にたくさんの水蒸気が供給され、対流活動(雲が発生し雨が降ること)が活発になっています。

インド洋で対流活動が活発になり低気圧が発生すると、それに対応して東側のフィリピン付近では高気圧が強まります。高気圧は時計回りに空気を放出する性質があるので、この高気圧がポンプの役割を果たし日本列島に暖かく湿った空気を送り込みます。その結果、梅雨前線の活動が活発になるため降水量が多くなることが考えられます。

またインド洋は梅雨前線の動きに対応する亜熱帯ジェット気流にも影響を及ぼします。対流活動が活発になると北インドから中国大陸を流れる亜熱帯ジェット気流を南へ蛇行させ、チベット高気圧の勢力を弱めます。その結果、前線はなかなか北上せず、日本付近で停滞しやすくなる見通しです。

この状況、過去の梅雨を振り返ると、特に九州で大雨をもたらした、2016年の状況と似ているんです。