2020年に始まった新型コロナの感染拡大によって、2年連続で多くのイベントや夏祭りなどが中止に追い込まれました。2022年の夏は3年ぶりに開催しようとする動きと、引き続き中止する動きが混在しています。そんな中、コロナに配慮しつつ、住民の憩いの場である夏祭りを開催する商店街に密着しました。

夏祭りでシャッター通りに賑わいが戻る 住民にとっては希望の象徴


日本で2番目に古い商店街が名古屋の中心部、官庁街のすぐ北側にあります。約600mに渡り、道路の両側に店が連なる「柳原通商店街」です。

1963年に誕生し、最盛期は百数十軒の店舗で賑わいました。今は3分の1以下に減り、店が無くなった所はコインパーキングや住宅に姿を変え、シャッターが閉まったままの所も少なくありません。

(郷原精肉店・郷原五月さん)
「シャッター通りになってしまったから困っている。私たちが来たときは、両側に通りがあって150軒くらい(店が)あった。今は40軒あるかないか…50軒ないと思う」


毎年夏の時期は商店街の夏祭りで賑わいを取り戻していました。

たくさんの屋台に、大勢の子どもたち。音楽隊の演奏に、サンバのパレードなどの催しで、小さな商店街に2日間で、3万人近くが訪れます。

2020年と2021年はコロナ禍で中止となり、活気が失われたままでした。

「今こんな時期だから…」開催する?しない?判断分かれる夏祭り

久しぶりの 祭りを迎える商店街組合の実行委員会では、コロナ禍での開催とあって2022年は祭りの楽しみでもある食べ歩きは禁止にしました。ゴミ箱を置くかどうかについても議論します。

その結果、食べ歩き禁止の代わりに、コンビニの駐車場を食事スペースとして使わせてもらうことになりました。

(ファミリーマート柳原二丁目店・迫田秀斗オーナー)
「オープンして3年目なので、今までは(祭りが)できなかったので楽しみ」

実行委員会の松浦大士さんも、3年ぶりの開催で人が多く集まるのではと考えていました。高校進学でバラバラになった仲間が、祭りが開催されると同窓会のように集まってくるからです。


照明の設置を担当するのは、電気店を営む実行委員会副理事長の岩田修治さん。ボランティアで作業していますが、活気を失った商店街に明かりを灯したいと考えていました。

(実行委員会副理事長・岩田修治さん)
「今こんな時期だから、いろんなところで(祭りを)やらないほうがいいんじゃないのと言われるけど。下町の良さって言うか、すごく親切な商店街ではある。そういうの(良さ)に触れてもらえたら一番ありがたい」

2022年は各地で夏祭りが復活して以前の賑わいを見せていますが、7月後半になり新たな新型コロナウイルスの変異株BA.5による感染が急拡大。余りに感染者が増えると急遽中止もあり得るという不安がついて回ります。