鹿児島市のかごしま水族館で展示されていたマンボウが20日、海へ帰りました。
海での詳しい生態を調べるため、世界で初めて体に心電図計が取りつけられました。

海に戻ったのは、今年3月末に肝付町・内之浦漁港の定置網にかかったマンボウ1匹です。かごしま水族館が保護し、イルカ水路で展示されていました。

水路の温度が上がり、生育に適した20度を超える日が出てきたことから、20日、海に帰すことになりました。

マンボウは20日朝、ダイバーたちに抱えられながら、水路からゆっくりと引き揚げられ、水槽を積んだトラックで磯海水浴場へ移されました。

放流には生態調査に取り組む長崎大学も協力し、背中に心電図計などがついたおよそ300グラムの機器を取りつけた後、沖まで運んで海に帰しました。

マンボウに心電図計を取りつけた例は世界で初めてで、詳しい生態の解明につなげたいとしています。

(長崎大学環東シナ海環境資源研究センター・中村乙水准教授)
「見ているだけでは分からないことがあり、体の中の情報をとることは意義がある。世界で初めてのデータがとれることを期待している」

マンボウに取りつけた装置は4日後に自動的に体から外れ、回収される見込みです。