国際政治学者は「軍も一緒になった中国に対するメッセージ」
一方、今回の視察について国際政治学者の我部政明(がべまさあき)さんは、台湾をめぐる問題に対する、中国と日本に向けた米国のメッセージだと指摘しています。
▽国際政治学者・我部政明氏
「我々(米国)はこの地域での抑止、あるいは軍事力展開をいとわないような意図を中国に伝えたいと」「ホワイトハウスの承認がなければ軍は動けないわけですが、それをある意味では、もう少し、一段階上げたのが大使の(今回の)行動だと」
そのうえで我部さんは今回、大使の視察に在沖米軍のトップである四軍調整官が同行している点に注目します。
▽国際政治学者・我部政明氏
「米海兵隊、沖縄にいる海兵隊の最高指揮者、司令官も同行するということなので、“米軍”という形で外交(政府)も、軍も一緒になって中国に対してのメッセージを発しているということなんだろうと思いますね」
「岸田総理が4月に米国の議会で演説したように、(日本は)米国のそばにいると、いつも我々はついていくんだということを話したんですが、それを米国は真剣に受け取っていると。だから、日本も口だけではなくて、やはり実行を伴うようなことをしてほしいと。そのために米国は支援をしていくんだということが日本に対するメッセージだと思いますね」
我部さんはこのほか、今年の秋に予定されている大統領選挙を見据えた大使個人の思惑についても指摘しています。
▽国際政治学者・我部政明氏
「大統領選挙以降の動きを彼なりに察して、ワシントンの中での動きに付いていく、ワシントンの中でも目立つような存在でありたい」「軍に対しての影響力があるんだということをアメリカの中で示したい」
先島諸島への自衛隊配備だけにとどまらず、日米の一体化がますます進んでいます。日米両政府には沖縄を二度と戦場にしないための外交努力が求められます。