よく「写真でいいじゃん」と言われるけど。。。それでも描く理由とは

ところで作品はどのように生み出されているのでしょうか。

(大森浩平さん)
「常に次は何を描いたらいいんだろうかというのは、頭の中で考えていまして、ホームセンターをうろついて、これがビビッときて」

身近なものの中からテーマを選ぶ大森さん。Hから4Bまで7種類の鉛筆を使って濃淡を描き分けています。完成までに要する時間は平均で100時間以上だといいます。【画像③】は鉛筆から「超写実画」が生み出される瞬間です。

【画像③】

(大森浩平さん)
「よく『写真でいいじゃん』と、皮肉というか、そういう感じでおっしゃっていただくんですけど、マラソン選手に『車の方が早いよ』と言っているようなもので、手仕事で時間をかけて描くことに僕は価値があると思っている」

すでにXでは4万人、インスタグラムでは16万人のフォロワーがいる大森さんですが、実は個展の開催は今回が初めて。来場者の反応は…。

(来場者)
「コーラもキンキンに冷えておいしそうに感じる」(【画像④】コーラがキンキンに冷えた写真としか思えない鉛筆画)

(来場者)
「近くから見ても描いたとは思えない」

(来場者)
「人間がここまで描けるんかなと思ったんです」

(大森浩平さん)
「『自分の存在意義は鉛筆画にこそあるんだな』とすごく感慨深く思いますし、自分がそうだったように、行き詰ってどうしたらいいかという人が今の時代多いと思うんですよね。作品を見て何かプラスのエネルギーとか影響を持って帰ってもらえたら一番うれしいですね」

大森浩平展「画家(ひと)は機械(カメラ)を超越する」は瀬戸内市立美術館で来月(6月)30日まで開かれています。