◆「制度を知らない、窓口に行けない、壁がある」

 コロナ禍を経て物価高。いま若者への支援は急増しています。10代の若者の孤立支援に取り組む「認定NPO法人D×P」では、現金給付の支援額が2020年度に比べて2023年度は21倍に、食糧支援数は40倍に増加しています。

そのD×Pなど資金分配団体側が5月16日に都内で会見を開き、今回支援した若者1万2765人のうち2347人から得たアンケート調査結果を報告しました。

D×Pの今井紀明理事長は現場での経験から「子どもたちは制度を知らない、窓口に行けない、電話相談ができない、といった様々な壁がある」と、若者がなかなか相談にたどり着けない現状を話しました。

こうした若者たちは、周囲に頼れる大人がいないことや、真偽が不確かな情報に触れることで、信頼できるセーフティネットや相談窓口にたどり着けずに一層孤立を深めてしまうことも多いということです。

誰かに相談することをためらう傾向も強く、その背景には、以前誰かに相談しても解決しなかった経験や、自分がおかれている状況をうまく言語化できないこと、相談窓口に行っても怒られるのではないか、という不安があると分析しました。